今、風にのせて


風が吹く 頬を掠めるように
僕はまだ あの日のまま
何気なく 見上げた雲の向こう
そこにまた 姿を探してる

眠りに寄せて 途切れることなく
繰り返される声に 思わず耳を塞ぐ
だけど浮かんだ その幻に
いつしか僕はまた 身を委ねて

壊れそうなほどに 強く抱き寄せる
他に何もいらない 君がそばにいれば
もう離したくない 愛しいこの温もりを
・・・そんな夢に抱かれて


悲しみは 時と共に薄れ
だけどまだ 忘れられるわけもない

流れてゆく 茜空の先
ほんの一瞬 君が見えたような気がして
受け入れたはずの別れが
癒えたはずの傷が また疼いて・・・

地平線の向こうへ 消えてゆく光
訪れる闇の中で 君の名前を叫ぶ
連れていかないで 振りしぼるような声も
波音にかき消されて


疼いた傷跡が治まり 初めて
君と出逢えたことの その意味があふれ出す
今も消えない この悲しみをいつか
誰かの闇を照らす 光に変えられるかなぁ

あふれる想い 今風にのせて
この空のどこかにいる 君のもとへ届け
朝凪が包んだ 君がくれた温もりを
生きる希望に変えて

inserted by FC2 system